ふと思い出すと

いま思い出すと、わたしは物心ついたときから、いつも「ひかりもの」を探していました。

 

おもちゃの魔法のステッキの先。

 

幼稚園、遊び場だった森のなかの木の根元。

 

小学校、校庭の砂の中。

 

海、波打ち際に転がるごみのなか。

 

新聞の間にはさまってた、大量の広告紙の中。

 

夏祭りの夜店。

 

夏の暑い日、高速道路のはるか向こう。

 

大雪が降った次の日、朝日が当たる家の屋根の先。

 

雨の日、車の窓につぎからつぎへとつたうもの。

 

 

日常の中で、異質とも言える輝きを放つ「ひかりもの」を見つけたときは、なんとも言えない嬉しさがこみあげ、それをじっと見つめていると、不思議とすーっと心が落ち着いたものです。

 

病気をしたり、不安な事が多かった子供時代、心を静めてくれる「ひかりもの」は、ときにお守りとなって、私を支えてくれました。

 

そんな私が、今ガラスを使って何かをしようとしているのは、自然な事なんだと思います。

 

うまくいかないことも多く、いまはまだ挑戦の日々ですが、

 

不安な事があるとポケットにガラスのかけらを入れて出かけたあのころを思い出すと、

 

もしかしたら他の誰かのこころにもちょっと寄り添えるかもしれないと、

 

そんな「ひかりもの」を作りたいなあ、と思うのです。

 

 

がんばります。